aosora

もう何年も憧れて

ずっと、保留にしていた「石垣島」のこと。

背中を押され、思い立って

「行く」ことを決意したのは

出発の５日前。

梅雨明け直前の一か八かの決行。

全ての運を使い果たしたかのような

晴天に恵まれ最高のコンディション

今回ばかりはただただ、神様に感謝。

時間に縛られず、気の赴くままに

「居たいだけ、そこにいよう。」

それだけがこの旅で唯一決めた目的

目指したのは最北端の地と

ここで日の入りを見ると決めた

最西端の岬。



視界に入りきらないほどの東シナ海の

吸い込まれそうな蒼

遠く遠く水平線だけが

同じように吸い込まれそうに蒼く澄んだ空との

境界線。

海から容赦なく吹く風と

地層をむき出しにした岩肌に
そびえ立つように生えるソテツの凛とした姿

蒼く穏やかな水面の幾重にも重なり届く
波の音を聴きながら

深く深く息を吸い込んで

海と空と隆起したサンゴで出来たこの島の

息遣いを感じながら

遥か昔から変わらない景色の一部になって

エネルギーを身体中に巡らせる。


ここにいることが信じられず夢のように思えたり

目に映る景色がどこか懐かしく感じたり・・


それは、

初めて沖縄の海を見た時

強烈な太陽の日差しを反射して

どこまでもキラキラと輝いてた

旅行会社のキャッチコピーのような「南の楽園」に

息を呑むほど衝撃を受けた時とは違う、

生命のエネルギーに穏やかに包まれた

心地のいい時間の流れ。


毎日を夢中で過ごして

それは自分が望んだ自分で、

大変だと思ったことは無かったけど

　
突然訪れた神様からのご褒美のようなこの時間は

きっと、「今だから」大切なんだと

その場所に立っていることは必然に思えた。


10年前の自分ではなくて、

今だから、来たんだと。

余計なものは要らないって

当たり前のことを

また教えてもらったような気がした。


その場所はずっとそこにあるがまま

なのに

次に訪れる時には

また違う景色に見えるはず。。







最北端　平久保崎